FHF05SC 薄膜熱流センサー

サーマルスプレイダーとヒーターを備えた自己校正式薄膜熱流センサー

FHF05SCシリーズは、薄膜熱流センサーの標準モデルであるFHF05にヒーターを組み合わせた次世代センサーです。ヒーターを使用することで、センサーを取り外すことなく、使用中のセンサーの機能性と安定性を確認する自己診断を行うことができます。FHF05SCシリーズは、高精度かつ長時間の熱流束計測、熱量計の構築、(熱流ゼロの)深部熱測定、熱伝導率測定装置、などに最適です。50×50mmのMサイズと85×85mmのLサイズが2サイズがあります。

仕様
計測項目
  • 熱流束、温度
計測範囲
  • (-10 ~ +10) x 10³ W/m²
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仕様

計測項目
  • 熱流束、温度
外寸(ガード部分を含む)
  • (50 x 50, 85 x 85) x 10⁻³ m
計測範囲
  • (-10 ~ +10) x 10³ W/m²
感度(典型値)
  • :
FHF05SC-50 x 50 Mサイズ
  • 13 x 10⁻⁶ V/(W/m²)
FHF05SC-85 x 85 Lサイズ
  • 50 x 10⁻⁶ V/(W/m²)
温度センサ
  • 熱電対T 型、IEC 60584-1:2013 class 2 *
サーマルスプレイダー
  • 内蔵
曲げ半径
  • ≥ 15 x 10⁻³ m
ケーブル耐荷重量
  • ≤ 1.6 kg
センサー熱抵抗
  • 24 x 10⁻⁴ K/(W/m²)
センサ厚さ
  • 0.7 x 10⁻³ m
校正の不確かさ
  • ± 5% (k = 2)
動作温度範囲(連続計測時)
  • -40 ~ +120 °C **
動作温度範囲(短時間計測時)
  • -160 ~ +150 °C **
IP保護等級
  • IP67 ***
ケーブル(標準)
  • 2 m
熱抵抗(モデルごと)
  • :
FHF05SC-50X50
  • 120 Ω(典型値)
CHF-FHF05SC-85X85
  • 40 Ω(典型値)
ヒータ電源
  • 12 VDC
オプション
  • ケーブル長5 m または 10 m、別売りケーブル、「黒」「金」ステッカー
*
  • 温度計測の不確かさ:5%(詳細はユーザーマニュアルを参照してください)
**
  • 定格動作条件:上限は連続計測時120 ˚Cまで、短時間計測時150 ˚Cまで。下限は-80 ˚C まで使用可能。
***
  • 水中での使用には適していません。
オプション
  • ケーブル長 5 m または 10 m
  • 別売りケーブル 2 m、5 m、10 m
  • 「黒」ステッカー(放射および対流熱流束計測)
  • 「金」ステッカー(対流熱流束計測)
  • ステッカーは工場での出荷前貼り付けが可能
マニュアル & ダウンロード

詳細

FHF05SCシリーズは、ヒーターと組み合わせた汎用的な熱流束計測用センサーです。最高レベルの品質保証が必要な場合や、長期間の熱流束計測に使用されます。薄型で柔軟性があり、汎用性が高いのが特徴です。FHF05SCシリーズは、センサーが組み込まれたり、取り付けられたりした対象物を通過する熱流束を測定し、W/m²で表します。FHF05SCの中のセンサーはサーモパイルで、FHF05SCを通過したときの温度差を測定します。また、温度計測のためにT型熱電対も内蔵されています。サーモパイルも熱電対もパッシブセンサーのため、電力を必要としません。

センサーを覆う導電層を形成する複数の小さなサーマルスプレイダーが、計測の熱伝導率依存を低減させます。組み込んだスプレイダーにより、FHF05SCシリーズは環境に依存しません。他の多くの熱流センサーはスプレイダーを備えていません。センサーの周囲にあるガード部分はエッジ効果を低減し、また取付けにも使用されます。

ヒーターを使わずに熱流束と温度を計測したい場合は、薄膜熱流センサーFHF05シリーズをご覧ください。

Unique features and benefits:

  • 自己診断のためのヒーターを内蔵
  • 柔軟(曲げ半径 ≥ 15 x 10⁻³ m)
  • 低熱抵抗
  • 広い温度範囲に対応
  • 高速応答速度
  • T型熱電対内蔵
  • センサとケーブルの間の負担緩和としても機能するコネクタブロックを含む堅牢性
  • 屋外での使用には必須のIP保護等級 IP67
  • 熱伝導率依存を低減させるためのサーマルスプレイダー

FHF05SCシリーズの使い方は簡単です。熱流束計測では、一般的に使用されているデータロギングシステムに直接接続することが可能です。熱流束(W/m²)は、センサー出力である微電圧を感度で割ることで算出されます。

感度は製品証明書に記載されています。校正基準条件と異なる条件で使用した場合、センサーの感度が証明書に記載されている値と異なる場合があります。解決策については、ユーザーマニュアルを参照してください。

温度計測を行う前に、データ取得システムがT型熱電対に対応しているかご確認ください。

熱流束を計測する際に、センサーの性能を定期的に確認したいと思われるかもしれません。使用中に、薄膜型ヒーターが作動して自己診断が行われます。

熱流センサーの自己診断への応答が、センサーの性能点検につながります。ケーブル接続、データ取得、センサーと環境の熱的接続、データ処理も暗黙のうちに検査されます。熱流センサーは、長期間にわたって設置されることが多いセンサーです。自己診断を行うことで、ユーザーは安定した性能を発揮しているか確認するためにセンサーを実験室に持ち込む必要がなくなります。実験室の環境では、金属製のヒートシンクを使用し、正式な校正を行うこともできます。ヒーターは、表面積と電気抵抗が十分に特性化され、トレーサブルです。

FHF05SCシリーズは、負担緩和の役割を果たす保護用ポット型のコネクタブロックを備えており、水分が浸透しないので、非常に堅牢で安定していることが証明されています。

FHF05SCシリーズは、国際標準にトレーサブルな校正を行っています。工場での校正方法は、ASTM C1130-21の推奨実施方法に準拠しています。

データ取得および制御のための要件:

  • 熱流束:1mV測定
  • ヒーター電圧:電圧測定1回
  • ヒーター電流(オプション):電流測定1回 もしくは 抵抗器による電圧測定
  • ヒーター電流ON/OFF用:典型出力12VDCのリレー1個

エネルギー移動や熱流束を詳しく知りたい方に、放射を吸収する「黒」ステッカーと放射を反射する「金」ステッカーをご用意しています。「黒」ステッカーを貼ると対流と放射を、「金」ステッカーを貼ると対流のみを測定できます。結果として、この2つの測定値を差し引くことで放射も求めることができます。ステッカーは、ユーザー自身でセンサーに貼ることができます。オプションで、貼り付け済みのものを注文することも可能です。順については、ユーザーマニュアルおよび動画をご参照ください。

推奨用途

  • 熱流束を高精度に科学的に測定し、データの品質保証を高いレベルで実現
  • 対流熱伝導メカニズムの研究
  • 熱量計の試作
  • (熱流ゼロの)非侵襲深部温度測定
  • 熱伝導率試験装置
FHF05SC 薄膜熱流センサー
FHF05SC 薄膜熱流センサー
  • 自己診断のためのヒーターを内蔵
  • 柔軟(曲げ半径 ≥ 15 x 10⁻³ m)
  • 低熱抵抗
  • 広い温度範囲に対応
  • 高速応答速度
  • T型熱電対内蔵
  • センサとケーブルの間の負担緩和としても機能するコネクタブロックを含む堅牢性
  • 屋外での使用には必須のIP保護等級 IP67
  • 熱伝導率依存を低減させるためのサーマルスプレイダー
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